てっちゃんのフライパン

主人が長年愛用していたアメリカ製のキッチン用具ですが、現在私にとっても手放せないアイテムになっています。“スペシャルオムレツ”(レシピ番号45 )に使用したのがこの二つに分かれたフライパンです。柄の長いスプーンは頑丈でとても使いやすく、主人は殆どの料理にこれを使っていました。茹でこぼす水切りは柄を何度もペンキを塗っては愛用してきましたがボールや鍋のふちにあてザルを使わずに済みます。片手鍋は厚底で蓋には空気穴がついていて程よく蒸気が抜け煮えがわかります。どれも河童橋道具街でも同じようなものは見たことがなく我が家の家宝です。

深雪スタジオに勤めていた時、大学時代からの親友に誘われてアメリカ大使館のテニス同好会に参加するようになり、そこで主人と出会いました。ある時帰りにテニス仲間と家に招かれましたが、雑談している1時間位の間に見たこともないキャセロール料理や大皿料理が何品も並びビックリしました。どれも美味しくて10 人近い人たちの胃袋を充分満足させてくれました。日本ではまだ「男子厨房に入らず」が常識だった時代に、殆ど普及していなかった電子レンジと、オーブンを駆使しての手際の良さと独創性は、正にあっぱれでした。結婚当初お料理の腕前は主人の方が遥かに上でした。